この食べ物はどっち?身体を温める?身体を冷やす?

漢方では、食べ物をバランスよく摂ることを重要だと考えます。これは漢方に限らず、西洋医学においても同じことが言われているのは、どなたでもご存知でしょう。西洋医学であればタンパク質、脂質、糖質などといった栄養学上の分類方法になりますから、バランスのよい食事はこれらが偏らないことが重視されます。でも漢方では、この食材の分類方法がとてもユニークなんです。

漢方では、食材が食べることで身体に入り、そこで身体を温めたり冷やしたりという作用をすると考えられています。その温め方冷やし方によって、食材を5つに分けています。冷やすものは寒と涼、どちらでもない平、そして温めるものが熱と温です。全ての食材がこのどれかに分類されますが、栄養学のように成分による分類方法ではありませんので、うろ覚えでは間違えてしまう可能性もあります。また同じ食材であっても、干したり炒めたりすればその性質は変わってしまいますので、一度では覚え難いかもしれません。

そこでこの5つの分類よりも単純な、温めるものと冷やすものの2分類から覚え始めるのがいいでしょう。ものによっては真ん中の性質である平が、温と冷のどちらかに入っているなど統一性がなくて混乱してしまうかもしれません。でも多少の間違いがあっても、そればかりを集中して食べるということはありませんので、特に神経質になる必要はありませんよ。

この2分類で大雑把に分けますと、身体を温めるものは香辛料、肉類、ナッツ類、冷やすものは野菜、果物、海草類です。例外も幾つかありますので、おおまかな分類を中心に、随時例外を覚えていくようにするといいでしょう。これらの食材の摂り方としては、気温の高い夏場ならば、身体を冷やすものを食べても差し支えありません。またもともと身体の温かいタイプの人は、冷やすものを多く食べた方が調子がいいこともあります。

しかしこれもバランスの問題で、いくら暑いからといって冷やすものばかり食べていると、その時は調子がよくても後で具合が悪くなることもあります。漢方の食養生では、このようにバランスを調整することが随所に見られます。少なくとも「これが身体にいいからこれさえ食べていれば安心」といった単純な健康法ではありませんので、じっくり時間をかけて付き合うようにしたいものですね。