漢方では美味しいことが重要!でも食べ過ぎには要注意!

食で健康を目指すといっても、漢方の考え方は決して単純ではありません。食材の性質や味による分類、その組み合わせ、そしてそれを食べる人の体質や体調によっても、その処方は非常に複雑です。食養生も、専門家がその人に合った処方をするのが本来なのですが、家庭ではそこまでの完成度を求めることはできません。しかしある程度の間違いや勘違いがあっても、楽しく続けることが第一だと言えます。

食の楽しさといえばその美味しさが重要ですが、これは漢方においても同じなんですよ。効き目さえあればそれでいいというのではなく、その味も重視しているところが漢方医学の面白いところです。医学も調理術も区別なく溶け込んでいるからこそ、生活の中で自然に健康になることができるのでしょう。いくら薬効があったとしても、不味いのを我慢して食べるのでは健康になれないという考え方は、人間を大切にする医学として大変立派なものです。

その中心となっているのが、五味という考え方です。漢方では5つの味による食材の分類方法があって、この組み合わせによって、健康にいいだけでなく食べても美味しいメニューを作り上げているんですよ。中国料理のレシピでは、簡単な炒め物でも素材の合わせ方が絶妙なのに感心しますが、それにはこの五味の考えが下地にあるからなんですね。

また漢方ではその季節の旬の食べ物を食べるのが良いとされますが、これもまた美味しさに繋がっています。旬の食べ物を喜んでいただけば、それがそのまま食養生だとも言えるでしょう。そして美味しいものを皆と楽しく食べることも、漢方ではとても重要視されています。美味しそうだ!と感じることや、楽しい!と感じることが、身体が元気になるには大切なことなんですね。

ただしいくら美味しくても、食べ過ぎは問題ですよ。さきほどの五味についても、それぞれ食べ過ぎることで表れる症状が明らかになっています。例えば酸っぱいものを摂りすぎると、汗をかきにくくなったり便秘しやすくなったりします。苦いものを摂りすぎれば、身体が冷えたり皮膚が乾燥したりします。薬効のある食べ物も摂りすぎれば悪影響が出るということが、長年の知恵の蓄積としてちゃんと残されているんですね。

このように、薬効のある食材の過食による副作用までが明らかになっていることからも、漢方がいかにバランスを大切にする考え方かというのがよく分かります。この美味しくバランスよくという原則を守って、漢方の食養生を生活の中で活かしていきたいものです。